記事公開日:2023年3月1日
寒い冬も終わり、すっかり春の陽気となりましたね。
暖かくなり、運動や趣味などを再開しよう!という方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、そんな春こそ「疲れ」には要注意!
最近「春バテ」という言葉をよく耳にするように、春は疲れがたまりやすく不調を訴える方が多い季節です。
ある調査で、春に不調を感じる人324名を対象に「どんな悩みを抱えているか」アンケートを行ったところ「疲労感・倦怠感(42.6%)」が最も多い結果になったそうです。
疲れの原因は【環境の変化】と【春特有の気候】
そもそもなぜ、春は疲れやすいのでしょうか?
その原因は主に生活環境の変化と春特有の寒暖差といわれています。
生活環境の変化
年度の変わり目は職場や部署が変わったり、子どもの学年が変わったりと何かと変化が多い時期です。
関わる人が変わることで、人間関係に疲れることもあるかもしれません。
また、いつもと比べてやるべきことが増える時期でもあります。
このように春は生活リズムが今までとガラッと変わることで、からだに強い負担がかかり、疲れやすくなってしまいます。
春特有の寒暖差
春は一年の中でも特に寒暖差が激しく
「昨日は半袖でよかったのに、今日は上着がないと無理!」
「昼は20℃あったのに、夜は一桁台…」
ということもしばしば。
そういった寒暖差に対応するためにからだは絶えず働いており、自分の想像以上に疲れを感じています。
慢性的な疲れが老化を早める
疲れているとき、表情が暗いと感じたり、年齢より老けて見られたりすることはありませんか?
それは、疲れによって細胞がボロボロになっているからかもしれません。
というのも、疲れがたまった状態では傷ついた細胞の修復に時間がかかり、傷跡の上からさらに傷をつけ、どんどん深くしてしまうそうです。
傷が深くなると修復に時間がかかり、傷跡も残りやすくなるため、老化を早めてしまいます。
若々しさを保つためにも疲れは放っておかず、その日のうちにケアすることが大切です。
疲れの回復に欠かせない栄養素3選
そんな「疲れの春」を「元気の春」に変えるために、今回は栄養のプロである管理栄養士のひろのさおりさんに「疲れの回復に欠かせない栄養素」を伺いました!
周りからうらやましがられるくらい、元気で明るい表情の自分でいたい!
そんな方は特に必見です!
ビタミンB群
疲労回復には、ビタミンB1、B2、B6などのビタミンB群をしっかり摂取することが大切です。
ビタミンB群は、糖質やたんぱく質、脂質などのエネルギー源を燃やし、エネルギーを生成するために必要となります。
ビタミンB群は、豚肉や牛肉などの赤身の肉、まぐろやかつおなど赤身の魚に多く含まれていますよ。
★ここでひと工夫!
ビタミンB群は水に溶け出しやすいため、生の状態で食べるか、煮汁ごと食べられる料理がおすすめです。
例えばまぐろは生の刺身で食べたり、お肉はスープにしたりといった工夫ができます。
豚肉に多く含まれるビタミンB1は特に疲労回復に効果的といわれ、ねぎやにんにくに含まれるアリシンと一緒に摂ることで、吸収率が高まりますよ。
アスパラギン酸
アミノ酸の一種であるアスパラギン酸。
ミネラルを細胞内に取り込みやすくし、たんぱく質を分解する際に生じる有害なアンモニアを解毒するのに必要とされるため、疲労回復に役立つといわれています。
アスパラギン酸は名前の由来にもなっているとおりアスパラガスに含まれていますが、実はそれ以上にそら豆やグリンピースに多く含まれている栄養素です。
★ここでひと工夫!
アスパラギン酸はミネラル類の吸収を高めてくれるので、カリウムやマグネシウムなどを豊富に含む食材と一緒に取り入れると効率的です。
カリウムは海藻や野菜類、マグネシウムは海藻、大豆製品、ナッツ類などに多く含まれています。
クエン酸
柑橘類に多く含まれるクエン酸も疲労回復のために意識したい栄養素です。
クエン酸もエネルギー生成に関わっており、さらに疲労のもととなる乳酸を分解することでも疲労回復に役立ちます。
クエン酸は、レモンや梅などに多く含まれています。
★ここでひと工夫!
一度にたくさん摂るよりも、こまめに摂ることを意識したい栄養素です。
毎回の食事に取り入れるだけでなく、例えば柑橘の果汁を用意しておいて、ドリンクに加えるとこまめに摂取することができますよ。
ひろのさおりさん、ありがとうございました!
水に溶け出しやすい栄養素は調理方法を工夫することが大切なんだね!
教えてもらったことを今日から実践して、元気をキープするわ♪
プロフィール
監修
管理栄養士・料理家/株式会社セイボリー代表取締役
ひろのさおり
大学院在学中にフリーランス管理栄養士として開業し、レシピ開発や執筆業、出張料理サービスなどに携わる。 大学院修了後は、特定保健指導員、セミナー・料理教室講師としても活動を広げ、2020年に株式会社セイボリーを設立。主な事業はレシピ開発の他、調理器具や健康食品、料理・ヘルスケアサービスの監修やコンサルティングなど。 著書に「小鍋のレシピ 最新版」( 辰巳出版 )。1児の母。