記事公開日:2023年6月26日
私たちは人生の3分の1を眠って過ごします。
健やかな睡眠があってこそ、十分な休養をとることができ、日中の状態が良くなります。
現代社会はシフトワークや通勤・勉強・インターネットやゲームをしての夜型生活など、睡眠不足や睡眠障害の危険で一杯です。
最も身近な生活習慣である「睡眠」に今回は目を向けてみましょう。
質の良い睡眠の指標
- ・規則正しい睡眠、覚醒のリズムが保たれていて、昼夜のメリハリがはっきりとしている
- ・必要な睡眠時間がとれ、日中の眠気や居眠りもなく快適なこころとからだの状態で過ごせる
- ・寝床に入ってから、あまり時間をかけずに入眠できる
- ・途中で起きることが少なく、安定した睡眠がとれる
- ・朝は気持ちよくすっきりと目覚める
- ・日中も疲れにくく、満足度が得られる
参考:厚生労働省資料「より健康的な睡眠を確保するための生活術」
質の良い睡眠でうれしい効果
睡眠はからだとこころの回復を行う働きがあり、食事や運動、喫煙、飲酒などの生活習慣と同じように健康に深く関わっています。
ストレス解消
睡眠には精神的な疲労を回復する働きがあります。
さらに、脳の疲労回復が期待できるので、認知機能としての集中力・記憶力・思考力が維持・調整され、ストレス解消につながります。
美容の調子アップ
睡眠時には、「成長ホルモン」が最も多く分泌されます。
成長ホルモンは、皮膚のハリを保つ、しわ・脂肪を減らすなどの働きを持つので、十分な睡眠は健やかな肌を保つのに欠かせません。
生活習慣病の予防
質の良い睡眠は、生活のリズムを整いやすくし、体内のホルモンバランスを保ちやすくします。
そのため、高血圧、耐糖能障害、循環器疾患、メタボリックシンドロームといった生活習慣病の予防につながります。
質の良い睡眠をとるためにできること
夕方以降のカフェインを控える
コーヒー・緑茶・チョコレートなどカフェインが含まれる飲食物は覚醒作用があり、寝つきが悪くなることも。
夕方以降は控えた方が◎
就寝の2~3時間前に体温を上げる
睡眠は脳の温度が低下するときに出現しやすくなります。
就寝の2~3時間前に運動・入浴などで体温を一時的に上げるのが快眠のポイントです。
自然光で体内時計を整える
体内時計は朝起きて太陽の光を受けることでリセットされます。
起きたらまずカーテンを開けて、自然の光を部屋の中に取り込みましょう。
管理栄養士 ひろのさおりさんに聞きました!質の良い睡眠を助ける栄養素と組み合わせ
乳製品やナッツ類で睡眠ホルモンの材料を取り入れる
必須アミノ酸のひとつである「トリプトファン」は、幸せホルモンともよばれる神経伝達物質のセロトニンの材料です。
セロトニンは、夜になると入眠を促すホルモンのメラトニンに変化します。
トリプトファンは牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品や、ナッツ類やごまに多く含まれています。
体内で作り出すことができないため、食べ物から取り入れていくことが大切です。
カツオや鶏肉、バナナを食べて睡眠の質を上げる
トリプトファンがセロトニン・メラトニンに変化するためには、ビタミンB6やマグネシウムのはたらきが必要となります。
ビタミンB6は、カツオや鶏肉、バナナに豊富で、これらにはビタミンB6だけでなくトリプトファンも豊富に含まれているため、質の良い睡眠のためにぜひ意識してみましょう。
マグネシウムは、ひじきやナッツ類、大豆製品に多く含まれており、和食を中心にすると、自然とマグネシウムを摂りやすいバランスになりますよ。
プロフィール
監修
管理栄養士・料理家/株式会社セイボリー代表取締役
ひろのさおり
大学院在学中にフリーランス管理栄養士として開業し、レシピ開発や執筆業、出張料理サービスな 大学院在学中にフリーランス管理栄養士として開業し、レシピ開発や執筆業、出張料理サービスなどに携わる。 大学院修了後は、特定保健指導員、セミナー・料理教室講師としても活動を広げ、2020年に株式会社セイボリーを設立。主な事業はレシピ開発の他、調理器具や健康食品、料理・ヘルスケアサービスの監修やコンサルティングなど。 著書に「小鍋のレシピ 最新版」 ( 辰巳出版 ) 。1児の母。