ドクターが教える、スポーツする人に貧血が多い理由

2022年8月30日

「スポーツをする人に貧血が多い」って知っていますか?

外出の自粛や生活の変化によって、運動不足が気になっている方も多いのではないでしょうか。
日本では健康志向が高まり、マラソンやジョギングなど始める方も増えてきているそうです。

しかしながら《スポーツをする人に貧血が多い》という事実をご存じでしょうか?
今回はその理由をご紹介します!

健康的なイメージがあるスポーツで貧血に!?

原因や対策方法はあるのかな?
教えて、かな先生!

山本佳奈医師
『貧血大国・日本』の著者でもある内科医・山本佳奈先生

スポーツ選手が貧血になりやすい理由

1.筋肉量の多さ

筋肉は、多くの酸素を消費・貯蔵します。
その主成分となるのは鉄分であるため、筋肉量が多いスポーツ選手は、より多くの鉄分が必要となり貧血に陥りやすいのです。

2.発汗量の多さ

汗には鉄分をはじめ、多くのミネラルが含まれており、少量の汗であればミネラル分を再吸収する機能がからだには備わっています。

しかし、急激に激しい運動をすると大量の汗をかき、再吸収機構が追いつかず、鉄分をはじめミネラルが体外へと失われてしまいます。そのため、大量に汗をかくスポーツ選手は鉄分不足に陥りやすいのです。

3.運動の衝撃による赤血球の破壊

剣道やバスケットボール、マラソンや長距離走といった足の裏やからだに衝撃の多いスポーツでは、衝撃を受けた部分で血液中の赤血球が破壊されています。
壊される程度が低い場合は、鉄分は損失しませんが、長時間の連続した運動や、激しい衝撃があるスポーツでは鉄分を失いやすくなってしまいます。

深刻な貧血になる前に、スポーツ貧血を疑って

症状は時間をかけて進行するため、深刻な貧血の一歩手前の状態になっていることに気づかず「コンディション調整がうまくいっていないせいだ」などと判断してしまっている場合があります。

もしご自分や、身近にスポーツをしていて、調子が整わない方がいたら貧血を疑うことをおすすめします。
予防のためには鉄分と一緒に赤身のお肉などタンパク質の取れる食品も意識して召し上がってくださいね。


山本佳奈医師プロフィール

監修

医師 山本 佳奈(やまもと かな)
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。医学博士。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。2022年東京大学大学院医学系研究科修了。ナビタスクリニック(立川)内科医、よしのぶクリニック(鹿児島)非常勤医師、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)

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