ドクターが警告!スポーツのオーバートレーニングが貧血の原因に

山本佳奈医師
『貧血大国・日本』の著者でもある内科医・山本佳奈先生

 

新型コロナウイルス感染拡大から、早いもので2年が経ちました。

外出の自粛や生活の変化によって、運動不足が気になっている方も多いのではないでしょうか。

今回は、山本先生に「貧血にならないために、運動をするときの注意点」について教えていただきました。

 

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 新型コロナウイルス感染者数低下に対して、増える学生の「スポーツ貧血」

感染者数が落ち着いてから、「しばらく中止していた運動を再開しました!」とおっしゃる患者さんが増えてきました。

自粛生活による体重増加を気にして、感染対策に気をつけながら運動を始めたり、再開されたりする方が多くいらっしゃるようです。

また、学校の部活動も再開され、〈スポーツ貧血〉に悩む学生の受診も増えてきたように感じます。

激しいトレーニングが「貧血」の原因に!

〈スポーツ貧血〉とは、激しい運動をすることで引き起こされる貧血です。

なぜ運動部に所属する学生には〈スポーツ貧血 〉で悩んでいる人が多いのでしょうか?
貧血外来を受診した「運動部に所属する学生」を対象に調査を行いました。

 

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【調査対象】
運動部に所属する13~22歳の男女430名

【調査内容】
血液検査や診療記録のデータを集め、貧血との関係性の調査

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調査の結果、なんと男性の9.0%、女性の23.1%が貧血であり、男女ともに「ミネラルの不足」と「オーバートレーニング」が貧血の原因であることが分かりました。

 日頃、部活動に励む学生たちは、性別問わず《ミネラルの補給》だけでなく、《トレーニング量にも注意》する必要があります。

「スポーツ貧血」は大人も要注意!

今回の調査は学生が対象でしたが、運動をしている人には広く当てはまる可能性があると私は考えています。

 オーバートレーニング、つまり過度な運動は、血管の中を流れる赤血球が破壊され、結果として貧血をもたらします。オリンピック出場経験のある競輪選手も、オーバートレーニングにならないよう、定期的に採血を行ってモニタリングしていたそうです。

 定期的な採血は難しいかもしれませんが、習慣的に運動している方は、ミネラルの補給とともに、運動が過度にならないように注意してくださいね。

(2021年12月インタビュー)

 

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だんだんと暖かくなってきて、冬になまったからだを動かそうかなと思われる方も多いのではないでしょうか。ミネラルの摂取を意識して、無理のない範囲で適度に運動を続けてくださいね。

 


山本佳奈医師プロフィール

監修

医師 山本 佳奈(やまもと かな)
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。医学博士。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。2022年東京大学大学院医学系研究科修了。ナビタスクリニック(立川)内科医、よしのぶクリニック(鹿児島)非常勤医師、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)

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